青年海外協力隊派遣取極署名30周年に寄せて

平成29年8月10日
8月に入り、常夏の国ジャマイカも夏本番を迎えています。暑さに慣れているはずのジャマイカの人々にも8月の暑さはこたえるようで、当地での挨拶の中にも、しばしば「毎日暑いね」という言葉が自然とでてきます。先日は、キングストンで当地ではあまり記録したことがない36度を超えたということが話題になっていました。
 
さて、今年は1987年12月に日本とジャマイカ両政府間で青年海外協力隊員派遣取極の署名が行われて30周年を迎えます。協力隊員の派遣はその2年後の1989年から開始され、看護士、写真、臨床検査技師分野の3名の協力隊員が当地に赴任しています。これまでに我が国は412名に及ぶボランティア(2001年から始まったシニア・ボランティアを含む)を教育、コミュニティ開発、保健、農業、防災 環境保全等の多岐の分野にわたり派遣してきていますが、各メンバーは草の根レベルにおいてジャマイカの社会・経済発展のために現地の人々と一緒になって努力を続けています。
 
派遣取極署名30周年の節目に、これまでのJICAボランティアの地道な努力と貢献を讃え、今後の更なる日・ジャマイカ関係の発展を期すため、当館と当地JICA支所はジャマイカ外務省の積極的な協力を得て、先月(7月)に記念行事を開催しました。まず、7月10日から5日間、ジャマイカ外務省が同省内で、JICAボランティア写真パネル展や生け花等の日本文化紹介を行ったのに続き、21日には、当地で活動するJICAボランティア28名がホルネス首相を表敬訪問し、日頃の活動に関し報告するとともに、同首相とともに記念撮影を行いました。また、同日夜には、ジョンソン=スミス外務・貿易大臣を主賓に迎え、大使公邸において、JICAボランティア、ジャマイカ政府関係者、外交団等を招待し、祝賀レセプションを開催しました。
 
上記の記念行事については、当地のプレスでも報道され、ジャマイカの人々にJICAボランティアの活動をより良く知っていただく上でも、大変有意義な催しとなりました。ボランティアと会見したホルネス首相は、代々のボランティアが草の根レベルの様々な開発課題に地元の人々と共に取り組んでいることに謝意を述べ、また、ジョンソン=スミス大臣もボランティアの活動状況に真剣に耳を傾けながら、人々の生活環境の改善やコミュニティの発展のため貢献してきたことに賞賛の言葉を贈っていました。
 
私自身も、着任以来、様々な機会にJICAボランティアの皆さんの活動現場を訪れていますが、ボランティアの皆さんがそれぞれの派遣地でそれぞれの課題の達成に向けて日々努力されている姿を拝見し、大変頼もしく、また嬉しく思っています。是非これからも、ジャマイカの一層の発展のため、また、日本とジャマイカの信頼の絆を更に太く強くしていくために、皆さんの益々のご活躍を期待しています。大使館としても、JICA支所とともに、当地での仕事がよりやりやすくなるよう、今後ともできる限りの支援をしていきたいと思っています。
 
2017年8月
在ジャマイカ・バハマ・ベリーズ特命全権大使 中野正則
 
        
        (左)JICAボランティアのホルネス首相表敬  
        (中)青年海外協力隊派遣取極30周年記念レセプション  
        (右)青年海外協力隊派遣取極30周年記念展示会開会式  

中野大使からのメッセージ