ジャマイカの総選挙と新政権の発足(2016年4月)
平成28年4月1日


皆様、こんにちは。在ジャマイカ日本国大使館のホームページをご覧頂き有り難うございます。
さて、私は昨年4月に当地に着任してちょうど1年が過ぎました。今回は、去る2月25日に実施された当国の総選挙とその後の動きについてお話ししたいと思います。既に報道にてご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、下院総議席63を争う選挙は、32議席対31議席のかつてない僅差で、ジャマイカ労働党(JLP)が与党であった人民国家党(PNP)を破り、約4年半振りに政権交代が行われました。
2012年1月に発足したPNP政権の任期は今年の12月までとなっていましたが、巷間では、昨年後半頃から当時のシンプソン=ミラー首相が任期前に総選挙に打って出るのではないかと噂され始め、11月までにはPNP,JLP両党とも選挙体制を整えていました。そして、本年1月31日にシンプソン=ミラー首相は議会解散を発表し、選挙戦が始まりました。ジャマイカの下院議員選挙では小選挙区制度が採用されていて、選挙前の両党の支持率はPNPがわずかに上回るといわれ、かなり拮抗していたため、勝敗は直前になるまで予想が難しいといわれていました。そのような中、当初はPNP有利と伝えられていましたが、最終段階で形勢が逆転したというようにメディア等は伝えていました。
首相に就任したアンドリュー・ホルネス氏は2011年10月に、当時のJLP政権で首相を務めていたゴールディング氏を引き継いで首相に就任した経緯があり、今回は二度目の首相就任になります。同首相はまだ43歳と若く、私も出席した3月3日に総督府で行われた宣誓式では、「繁栄のためのパートナーシップ」と題した就任演説を行い、新政権の優先事項として「経済の成長と雇用の大幅な創出」を目指すことを力強く述べていました。また7日には、18名の閣僚リストを発表し、政権の目玉として新設された経済成長・雇用創出大臣はホルネス首相が兼任し、また当国で初の女性外務・貿易大臣としてカミーナ・ジョンソン=スミス氏が任命されました。
私は新政権発足後、ホルネス首相、ジョンソン=スミス外務・貿易大臣をそれぞれ表敬訪問し、昨年9月末の安倍総理のジャマイカ初訪問に触れ、総理は対カリコム政策の三本柱に基づき両国関係の強化・拡大を明確にしており、今後更なる協力関係を発展させたいと伝えました。これに対し、ホルネス首相、ジョンソン・スミス外相ともに、我が国のこれまでの支援に感謝しつつ、今後の我が国との関係の強化に強い期待を示していました。
当国では5月に新政権として初となる予算審議が行われる予定で、同政権が目指す順調な経済成長に向けた政策が初期の成果を達成することを心より希望しております。当館としてもできる限りの支援を行っていきたいと思っております。皆様のご支援、ご協力を引き続きよろしくお願い申し上げます。
2016年4月
在ジャマイカ・バハマ・ベリーズ特命全権大使 中野正則
さて、私は昨年4月に当地に着任してちょうど1年が過ぎました。今回は、去る2月25日に実施された当国の総選挙とその後の動きについてお話ししたいと思います。既に報道にてご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、下院総議席63を争う選挙は、32議席対31議席のかつてない僅差で、ジャマイカ労働党(JLP)が与党であった人民国家党(PNP)を破り、約4年半振りに政権交代が行われました。
2012年1月に発足したPNP政権の任期は今年の12月までとなっていましたが、巷間では、昨年後半頃から当時のシンプソン=ミラー首相が任期前に総選挙に打って出るのではないかと噂され始め、11月までにはPNP,JLP両党とも選挙体制を整えていました。そして、本年1月31日にシンプソン=ミラー首相は議会解散を発表し、選挙戦が始まりました。ジャマイカの下院議員選挙では小選挙区制度が採用されていて、選挙前の両党の支持率はPNPがわずかに上回るといわれ、かなり拮抗していたため、勝敗は直前になるまで予想が難しいといわれていました。そのような中、当初はPNP有利と伝えられていましたが、最終段階で形勢が逆転したというようにメディア等は伝えていました。
首相に就任したアンドリュー・ホルネス氏は2011年10月に、当時のJLP政権で首相を務めていたゴールディング氏を引き継いで首相に就任した経緯があり、今回は二度目の首相就任になります。同首相はまだ43歳と若く、私も出席した3月3日に総督府で行われた宣誓式では、「繁栄のためのパートナーシップ」と題した就任演説を行い、新政権の優先事項として「経済の成長と雇用の大幅な創出」を目指すことを力強く述べていました。また7日には、18名の閣僚リストを発表し、政権の目玉として新設された経済成長・雇用創出大臣はホルネス首相が兼任し、また当国で初の女性外務・貿易大臣としてカミーナ・ジョンソン=スミス氏が任命されました。
私は新政権発足後、ホルネス首相、ジョンソン=スミス外務・貿易大臣をそれぞれ表敬訪問し、昨年9月末の安倍総理のジャマイカ初訪問に触れ、総理は対カリコム政策の三本柱に基づき両国関係の強化・拡大を明確にしており、今後更なる協力関係を発展させたいと伝えました。これに対し、ホルネス首相、ジョンソン・スミス外相ともに、我が国のこれまでの支援に感謝しつつ、今後の我が国との関係の強化に強い期待を示していました。
当国では5月に新政権として初となる予算審議が行われる予定で、同政権が目指す順調な経済成長に向けた政策が初期の成果を達成することを心より希望しております。当館としてもできる限りの支援を行っていきたいと思っております。皆様のご支援、ご協力を引き続きよろしくお願い申し上げます。
2016年4月
在ジャマイカ・バハマ・ベリーズ特命全権大使 中野正則