新年の挨拶(2016年1月)

平成28年1月4日
新年明けましておめでとうございます。

昨年4月にジャマイカに着任して、早いもので9ヶ月が過ぎました。この間、当国の政府関係者の方々や、経済、文化、スポーツ等多くの分野の方々にお会いすることができました。また、草の根・人間の安全保障無償資金協力プロジェクトの署名式やJICAボランティアの活動状況等の視察のためジャマイカ各地を訪問し、我が国の支援が当地の人たちの役に立ち、感謝されていることを実感することができ、大変嬉しく思っています。

さて、2015年は日本とジャマイカにとって歴史的な一年となりました。昨年9月30日から10月1日まで、安倍総理大臣が、1964年の日ジャマイカ外交関係樹立以来、日本の総理として初めてジャマイカの地を踏まれました。当地では、シンプソン=ミラー首相が数名の閣僚とともに視察先の案内を買って出るなど、ジャマイカ政府並びに国民の熱い歓迎を受け、両国間の友好と信頼の絆の強さを示す訪問となりました。

日本とジャマイカを含むカリコム諸国との間では、2014年7月にトリニダード・トバゴで開催された第1回日・カリコム首脳会議において、安倍総理から3つの柱からなる日本の対カリブ政策が発表されています。それらは、まず第一に、小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的発展に向けた協力、第二が交流と友好の絆の拡大と深化、そして最後に国際場裏における協力です。

今回の安倍総理のジャマイカ訪問では、これらの3本柱に沿って両国間の協力を強化・促進していくことを両首脳間で確認するとともに、具体的な協力関係を更に発展させていくことで一致しました。

第一の柱については、これまでの支援を踏まえ、新たに省エネルギー分野での技術協力プロジェクトの実施が総理から表明されたほか、首脳会談後、ジャマイカの文化振興に貢献するための「ジャマイカ研究所展示・視聴覚機材整備計画」の実施のための交換公文が署名されました。また第二の柱については、両首相が見守る中、上智大学と西インド諸島大学との間で交流覚書の署名が行われたほか、今回の総理訪問を契機に、日・カリブ間で初となる地方自治体間の姉妹提携に向けた鳥取県とウェストモアランド県の動きが加速することとなりました。更に第三の柱についても、国際社会の共通の関心事に関し、グローバル・パートナーとして二国間及び日・カリコム間で連携を一層強化することを改めて確認しました。

安倍総理は、首脳会談でこのように発展する両国間の関係を「JーJパートナーシップ」と呼ぶことを提案し、シンプソン=ミラー首相から快諾を得ました。ご存じのとおり、日本とジャマイカは様々な国際会議でいつも隣り合う関係ですが、「J-Jパートナーシップ」とは、まさにこのように互いに寄り添いながら、緊密に協力し合う関係であると思います。私共は両国関係を更に発展させていくために、今年も皆様と共に努力していく所存ですので、引き続きご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

本年が皆様にとりまして素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。

2016年1月
在ジャマイカ・バハマ・ベリーズ特命全権大使 中野正則